MOBYeが有名プロデューサー陣とミーティング?
BNK48から昨年12月に6年間の契約期間満了とともに卒業した1期生メンバーのうち、卒業後もっとも歌手活動を積極的に続けているのは、モバイルです。
卒業前にいくつもの事務所からオファーがあったそうですが、その中からモバイルが選んだのは、名物CEO自らが口説いた LOVEiS社でした。芸名をMOBYe(「モバーイ」と読みます)と改め、BNK48の事務所iAM社との契約により新曲リリース含むアイドル活動が禁止されている1年間、主にLOVEiSグループ所属歌手の歌をカバーして大型パブ(LOVEiS社の現CEOはそちらの業界出身)のステージ等で歌いながら活動しています。
そんなMOBYeがLOVEiS社CEOのJeep氏とデュエットした動画を紹介しておきます。
さてここで突然ですが、元Kamikaze二大プロデューサーの1人、Gop Postcard こと Thanee Wongniwatkajorn氏を覚えてますでしょうか? ラストアイドル・タイランドの3rdシングル『LAST GAME』で作詞を担当し、ラストアイドル・タイランドの事務所Rabbit Moon社が開催したオーディションで審査員を務めたと過去記事で触れた人物です。
そのGop氏が11月3日、自身のインスタグラム・ストーリーズに次の画像を投稿したのです。
MOBYeのファングループ「MOBYe Fanbase」が見つけてX(旧ツイッター)に投稿したことから話題になったのですが、よく見つけたもんですね。
写っているのは右からGop氏、Danoこと Danai Thongsinthusak氏、Ampこと Atchariya Dunyaphaibun氏、そしてMOBYe。場所はLOVEiS社の会議室のようです。何をしてるんですかね?
MOBYeはソロデビュー曲発表時期について、アイドル活動禁止期間明けの12月中旬では時期的に良くないので、年明けになると以前話していました。もしやこの豪華な顔ぶれでデビュー曲制作!? いやいや、サプライズにとっておくべきネタをわざわざ今から小出しにしないのではないか? と様々な憶測が飛び交っています。
そこでこの面々がデビュー曲制作陣だと仮定して、3人がどんな人物なのか解説したいと思います。
ここでも登場の大物P Gop氏
まず右端のGop氏ですが、今まで何度か触れたとおり、2007~15年頃のKamikaze黄金期を築いたプロデューサーの1人です。
Kamikazeはアイドル歌手の多かったRS傘下のレーベルで、やはり主に10~20代向けの若手(B級)アイドルを輩出。Four-ModやNeko Jumpは日本人にも人気だったので覚えている人は多いと思います。
しかし注目すべきはアイドル歌手自体よりも楽曲で、Kamikazeサウンドとも呼ぶべき独特のメロディーが特徴でした。Gop氏はそのKamikazeサウンドを「作詞プロデューサー」として、エクゼクティブ・プロデューサーの Afuこと Narongsak Sribandasakwatcharakorn氏とともに築き上げ、K-POP全盛だったタイ音楽業界である程度の成功を収めたのです。そんな経緯のため、この2人は今でもタイではアイドルポップスの大御所に位置付けられています。
Afu氏プロデュースの楽曲はそんなことはないのですが、Gop氏プロデュースの楽曲には今でも「Kamikazeの匂い」が感じられるものが多い気がしています。
当時のKamikaze楽曲MV17本をまとめた動画がありましたので、参考までに貼っておきますね。
2007~15年頃というと、タイではJ-POPブームが終わり、代わりにK-POPの大ブームが到来した時期。ですが、楽曲にはまだK-POPよりもJ-POPの影響が色濃く感じられる気がしませんか?
Gop氏の愛弟子で今旬のAmp氏
MOBYeの奥にいる女性がAmpこと Atchariya Dunyaphaibun氏。ニックネームが英語綴りだとなぜか「Amp」ですがタイ語綴りは แอ้ม で「エーム」と発音するのがナゾな彼女は、チュラロンコン大学マスコミ学部在籍中、歌の指導講師をしていたところ幸運にもGop氏の元でインターンとして働くことになったのがきっかけで才能を見出され、ソングライターとなった人物です。Kamikazeの楽曲制作にも深く関わりました。
Gop氏は曲を制作する前にアーティストがどんな人かを話し方まで含めてリサーチしたうえで、曲に反映させていますが、Amp氏もそんな流儀を踏襲しています。
そんなAmp氏、実は今とても旬なソングライターとして活躍中なのです。作詞・作曲ともに手掛けて最近大ヒットした曲には日本でも人気のBLドラマ・タレント関連の他、例えば、TikTok中心に大人気になった Oon TheChanisara の『Hermionong』。
それにMOBYeと同じ事務所で稼ぎ頭の大先輩 NONT TANONT の『First Love』などがあります。『First Love』はMOBYeが10月28日にイベントでカバーして歌った動画を紹介しておきますね。2曲目で5:50~です。
ロック系PのDano氏
そして最後は、写真の右から2人目のDanoこと Danai Thongsinthusak氏。4人組バンド Klear(「クリアー」と読みます)のプロデューサーを務めた人物です。Klearがロック路線ではボーカル女性Patの美しい歌声を活かせないと気付いた彼が作曲した “รักไม่ต้องการเวลา”(愛に時間は不要)は大ヒット。今でもバンドの代表曲となっています。タイ好きの多くの人はきっと一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。
さらにDano氏は音楽レーベル Wayfer Records の経営者でもあります。所属アーティストは TELEx TELEXs、Boom Boom Cash、Annalynn、D Gerrard、Wonderframeといった面々。
3人の中でDano氏だけが唯一Kamikazeとの接点がないようです。しかしDano氏は仕事において自分のカラーを出さず表に顔を出さず、裏方に徹することをモットーにしているようです。そんなアーティストを引き立てようとする姿勢が上記の2人とも共通しているのかもしれません。
もしこの3人がMOBYeのソロデビュー曲を制作するなら
この3人がMOBYeのソロデビュー曲制作陣だと仮定して調べて書いてきましたが、Amp氏は調べれば調べるほどMOBYe自身が彼女への楽曲制作依頼を希望したのではないか?という考えが湧き、強まる一方でした。彼女の性格からして女性に頼みたいでしょうし。
Dano氏にしてもKlear女性ボーカルの歌声の特性を見抜いて適した曲を提供した事実を、MOBYeもどこかで読んで知っていた可能性がありそうです。デビュー曲は自分らしい曲にしたいと以前語っていましたから、Dano氏も適任な気がします。
残るGop氏ですが、Kamikaze黄金期の楽曲制作陣は今でもチームを組んで一緒に仕事をしているのだそうです。そんなことからAmp氏にくっついてきたのかもしれませんね(笑)。
今一度冒頭の写真を見ていただきたいのですが、3人の有名プロデューサーに囲まれているのにMOBYeの表情が硬くないのが注目点だと思いませんか? きっとこの時が初対面ではなく、既にもう何度もミーティングを重ねているためにMOBYeの緊張が解けたのではないかと想像しています。やはりデビュー曲制作陣で間違いないんじゃないですかね。
気になる曲風は、MOBYeの好きなミディアム~スローなテンポのT-POPとなる可能性が濃厚です。大穴でGop氏が強く関わった場合には「Kamikazeの匂い」が感じられる曲になる可能性もありかと。歌詞はファンを大切に想う気持ちを比喩的に詠んだものにAmp氏がきっと綺麗に仕上げてくれるのではないかと大いに妄想しています。
また大外れだったらごめんなさい。
<参考>
- “จากกามิกาเซ่สู่รักติดไซเรน มอง T-pop ผ่านมุม 2 โปรดิวเซอร์ผู้สร้างทุกเพลงป๊อปที่คุณรัก” a day magazine
- “กามิกาเซ่” wikipedia
- “เปิดชีวิต ความคิด และเบื้องหลังแต่ละเพลงของ ‘แอ้ม CU Band‘” The Cloud
- “เคลียร์” wikipedia
- “20 ปีในเบื้องหลัง กับประสบการณ์ของดาโน่ ดนัย โปรดิวเซอร์ผู้ปลุกปั้นวง Klear” The Standard