当サイトではBNK48に関する情報と現地イベントの様子という事実をお伝えすることに極力徹して、なるべく筆者の考えを書かないようにしてきました。読者の方々に筆者の考えの影響を与えないようにしたいからです。

しかしCGM48のオーディションが始まった今、日本とタイで人気の出るアイドル像が異なることを説明するのに一番良い機会だと思い、筆者のこれまでの見聞をふまえて書くことにしました。

最初に断っておきますが、日本とタイの文化の善し悪しを論じるものでは決してない点をご了承ください。




タイのTVドラマを見たことのある方なら、貧しい女性ヒロインが金持ちでイケメンで色白で優しくて仕事に有能な会社社長の男性とひょんなことから知り合い、最終的に結ばれる…というストーリーばかり(もちろん全部ではありませんが ^^;)なのをご存知だと思います。

よく飽きないなと思うのですが、人気があるからこそこのパターンのドラマが量産されるわけで、視聴者は女性のみならず男性もそんなシンデレラストーリーに自分を重ねて夢を見ているのです。

タイ人がアイドルに求めるイメージも、まさにドラマで描かれている男性社長そのものなのです。

 

BNK48のデビュー直後の2017年半ば、筆者はJennisがなぜあんなに人気があるのか理解できず、握手会会場などで知り合ったタイ人のJennis推しの何人もになぜJennisが好きなのかと質問したことがあります。

 


(右からJennis、Music、Cherprang。2017年6月2日 BNK48デビューイベントにて)

 

「とても美人」(タイ人にとっては美人なのです)という以外にみんなが口を揃えて答えたのが「自分を持っている」という表現でした。

「自分を持っている」という言葉はCherprangやKaew、Orn、その後卒業したCan推しの人もやはり口にしていました。

ここで気付くのは「自分を持っている」とファンが表現するメンバーはみな人気上位のメンバーということです。では「自分を持っている」とは具体的にどういうことなのか。筆者の見聞と考えをもとに列挙してみます。

  • 自信を持っている
  • 頼れる存在
  • リーダーシップがある
  • 主に学業で人より秀でている
  • 自分の考えを語れる

といったところです。

つまりドラマで描かれる男性社長キャラの女性版がほぼ、タイ人にとって女性アイドルの理想像なのだと筆者は考えています。

このキャラを発揮でき憧れの対象となり得るには、ある程度年齢がいっていないと無理です。BNK48人気上位メンバーは20代がほとんどなのはそのためです。

逆に日本だったら人気が出ていると思われるさっちゃん、Jaa、Jibの人気が出ないのは、若すぎてこれらの要素が揃ってないからです。握手会の際に真横のレーンにいたJibについてタイ人の友人に「Jibはタイフェスで日本人ファンが増えたんだよ」と言ったところ「Jibは若すぎる」と即答されたのがそれを証明しているように思えます。

 


(前列右からJib、さっちゃん、Jaa。2019年7月5日ジャーバージャ初披露イベントにて)

 

以上はタイ人男女が女性アイドルに求めるキャラの話でしたが、次はアイドルが自分ではどうすることもできない基準についても2つほど説明しておかなければなりません。

タイは日本以上に格差社会です。自分の階層を意識していて人と会うと相手を値踏みすることもあるようです。外国人の日本人はその点、どの社会階層の人とも比較的付き合える特権を持っていますが、それでもワイシャツに革靴姿とTシャツにハーフパンツ・サンダル姿とではタイ人の対応が明らかに違う経験をしたことのある方も多いと思います。

憧れの対象となりうるのは、社会階層の高い人ということになります。少なくとも中流以上ではないでしょうか。必然的に中華系が多くなります。

逆に地方の農家出身や親がタクシー運転手のメンバーは、いくら歌唱力が素晴らしくても人気ランキングの最下位グループに付けているのが実情です。

もう一つはタイ人の色白信仰に関係しています。色白は単に美しいというだけでなく、色白=ホワイトカラー、色黒=肉体労働者というイメージを強く持っているため、色白ではないメンバーは人気が出にくいです。人気ランキングの最下位グループには、やはりそういうメンバーが揃っているのが分かります。しかも階層と密接に関係しています。

 

今まで述べてきたように、タイ人にとって夢を見る対象となりうるアイドル像は日本と比べてかなりシビアな印象です。しかし例外がないわけではありません。MusicとMobileです。

 


(右からMobile、Music。2019年5月24日ミスグランド・バンコク2019にて)

 

2人とも20歳未満で「自分を持っている」キャラとは少々違います。むしろ日本人ウケするアイドル像ですよね。この2人のようなメンバーが今後も人気を得ていけば、タイ人の憧れるアイドル像も変わっていくのかもしれません。そしてCGM48にはどんなキャラの子が入ってどの子の人気が出ていくのかも注目されるところです。